建設業界向け人事管理システムおすすめ5選!解決できる課題と事例
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建設業界で活用できる人事管理システムの機能
人事管理システムとは、人事担当者が行うさまざまな業務を管理するシステムです。労務管理や勤怠管理、給与計算、人事評価、採用・育成など、人事業務や労務業務の効率化ができます。
建設業界では、従業員のスキルや経験、資格などをデータベース化し、案件ごとに最適な人材を配置できます。
建設業界における人事・労務の課題
建設業界では、人事や労務に関するさまざまな課題を抱えているのが現状です。具体的にどのような課題があるのか解説します。
働き方改革における2024年問題
2019年4月から施行された働き方改革では、建設業に5年の猶予期間が設定されており、2024年4月1日から改正労働基準法が適用となりました。
労働時間の上限規制が適用されることで、現場労働者の負担が増えることや、これまでどおりの納期設定では工事が完了できない恐れがあることから、建設業社は対応を迫られています。
具体的な取り組みとしては、適正な工期の設定や業務の効率化、人材育成などが挙げられます。
人材不足
建設業界の人事課題の1つが、人材不足です。
さまざまな要因が考えられますが、労働人口が減少していることに加えて、高齢者の増加と若年層の減少が影響しているといえます。
また、長時間労働のような厳しい労働環境ゆえに、若年層の定着率が向上しないことも考えられます。
人事制度や労働環境の再構築と適切な人材育成が必要な状況にあり、この点も建設業界が解決すべき課題といえるでしょう。
業界の特性と勤怠管理
建設業は、企業やプロジェクトごとで多様な現場があり、遠隔地での業務や労働時間が長いことも多いことから、適切な勤怠管理ができていないケースがあります。
働き方改革に対応して、さまざまな現場を一元管理するためには、システムを用いた正確かつ効率的な管理の仕組みを構築することが必要になるでしょう。
建設業界の課題を人事管理システムで解決できる理由
建設業界では2024年問題への取り組みや人材不足などの課題がありますが、人事管理システムを導入することで、これらの課題を解決できる可能性があります。人事や労務の課題を解決できる理由を、人事管理システムの機能が詳細とともに説明します。
人材配置を適切に管理できる
人事管理システムを活用すれば、従業員の人材配置を適切に管理できるメリットがあります。
たとえば、異動配置シミュレーション機能を用いれば、従業員ごとのスキルや経験を考慮した人員配置を簡単に検討でき、労働力の最適化や労働時間の削減につなげられるでしょう。
人材育成やエンゲージメント向上に活用できる
人事管理システムは人材育成やエンゲージメント向上にも活用可能です。
人事データの一元管理によって従業員のスキルや資格、研修履歴などを常に把握でき、適切な研修・教育計画を提供できるため、若年層のスキルアップを後押しできるでしょう。
また、人事評価機能で評価やフィードバックを仕組化できれば、評価に対する従業員の納得度向上を期待できます。
さらに、従業員アンケート機能を用いることで、エンゲージメント状況やストレス状態を分析可能です。人材の流動性や退職率などのデータも分析できるため、従業員の定着率向上の施策立案に役立ちます。
勤怠情報をリアルタイムで把握・集計できる
勤怠管理機能を搭載する人事管理システムを導入すれば、従業員の勤怠情報をリアルタイムで集計できるメリットがあります。
打刻は、パソコンはもちろん、ICカードやスマートフォン、GPS打刻などさまざまな方法が用意されているため、建設業の多様な現場に対応できるでしょう。
また、勤怠時間や残業時間を自動で正確に集計できるため、正確な勤怠管理と給与計算に役立ちます。
建設業界における人事管理システムの導入事例
建設業界で人事管理システムを導入している企業の例を、業務改善例とともに紹介します。
ヤマト住建
ヤマト住建では、人事管理システムの導入によってエリアごとの人員不足に気づくきっかけとなったほか、人事業務の効率化を果たしています。
同社では、企業規模の拡大に伴う従業員の増加によって、紙ベースでの人事管理に限界を感じていました。また、人材管理資料の所在や管理者が曖昧だったこと、業務やデータの属人化により、人事業務に多くの時間がかかっていたそうです。
そこで、300名規模の従業員の管理をデジタル化するために、HRBrainを導入しました。
トライアル期間から従業員のデータ取得が格段に簡単になり、必要な情報をすぐに抽出できるようになったとのこと。また、エリアごとの人数比較が簡単にできるようになったことから、人員不足のエリアを見つけやすくなり、求人広告を掲載する際の判断材料にしているそうです。
将来的には、従業員からの相談をHRBrainのアンケート機能を使って一本化することを目指しています。
※出典:HRBrain「事業拡大のなか、組織の見える化で最適配置を目指す」(2024年5月10日閲覧)
加和太建設
加和太建設では、人事管理システムの導入により労務業務における課題の解決と業務効率化を達成しています。
同社では、入退社手続きをはじめとした人事労務業務に追われる状況が続いており、人為的なミスが頻発している状況でした。日々増加する人材に対応できる労務管理体制の構築が必要になり、SmartHRの導入に至ります。
操作性の高さに加えて、書類作成がシステム上で完結できることで、記入ミスや煩雑な書類作成、確認作業といった課題の多くを解決できたとのこと。さらに、書類による申請や承認までシステム上で行えるようになったことで、すぐに手続きができるようになったそうです。
労務手続きや管理に1週間かかっていたのが、今では1日で済んでしまうことも。作業ミスの防止に加えて、業務の効率化を達成したことで、社員教育分野への取り組みを推進できるようになったといいます。
※出典:SmartHR「労務管理の業務が80%減。業界を牽引する加和太建設の人事施策」(2024年5月10日閲覧)
建設業界向け人事管理システムおすすめ5選
HRBrainは、人事・労務業務の効率化や、人材データの管理・分析をサポートできるシステムです。タレントマネジメントや人事評価、組織診断サーベイ、労務管理など、複数のプロダクトから自社の課題に合わせて機能を選択できるのが特徴です。タレントマネジメント機能では、人材データの可視化と一元管理が可能。人事評価からスキル管理までクラウド上で完結でき、戦略的な人事施策に活用できます。労務管理機能では、入退社手続きや年末調整などの業務をペーパーレス化可能です。建設業界ではヤマト住建株式会社で導入されています。
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SmartHRは、人事業務や労務業務の効率化とデータによる組織改善が期待できる人事労務システムです。入社手続きや雇用契約、マイナンバー管理、文書や給与明細の配布、申請・承認機能など、さまざまな機能が搭載されており、システム上で書類の作成や配布が完結できるため、大幅な業務の効率化を期待できます。また、タレントマネジメントシステムとしても利用でき、従業員ごとのスキルや人事評価を管理できるほか、従業員へのサーベイの実施も可能。従業員データベースとして人事施策に活用できます。加和太建設株式会社やSHUKEN GROUPといった建設会社にも導入されているシステムです。
freee人事労務は、中小企業の人事労務管理を効率化できるクラウド型の人事管理システムです。勤怠管理や給与計算、Web給与明細の作成、入退社手続き、年末調整といった労務業務をシステム上で一元的に実行・管理できるのがポイント。人的ミスの原因となる転記作業を削減できるほか、関連するデータをすべてペーパーレスで管理できます。また、担当者が正しく業務を行えるように、チャットやメール、ヘルプページなどでのサポートが充実。建設業界ではフィットをはじめ、さまざまな業種・職種で利用されています。
One人事は、労務管理や勤怠管理、給与計算、タレントマネジメントなど、人事労務から人材マネジメント業務を一元的に行えるシステムです。複数のプロダクトが提供されており、一括導入やプロダクトごとの導入、セット導入が可能。どのような組み合わせで利用しても、1つのデータベースで一元管理ができます。また、すべてのプロダクトが同じUIデザインであるため、後からプロダクトを追加しても使用しやすいでしょう。中日本高速道路といった建設業界でも導入されています。
タレントパレット - 株式会社プラスアルファ・コンサルティング
タレントパレットは、人事データの一元化・分析によって組織力の向上に貢献できるタレントマネジメントシステムです。従業員のデータベースとして利用でき、スキルや経験、人事評価など、さまざまな人材データをワンクリックで確認可能。また、労務管理機能も搭載されており、入退社手続きや各種契約書の作成、年末調整など、煩雑になりやすい業務を効率化できるのも魅力です。積水ハウスでの導入実績があります。
建設業界向け人事管理システムで人事・労務業務の課題を解決しよう
人事管理システムでは、人材データの一元管理や分析ができ、人事施策の策定に活用できます。また、労務業務をシステム上で実行できるサービスもあり、ペーパーレス化や業務効率化も期待できます。
建設業界向け人事管理システムを導入する場合は、煩雑になりやすい労務業務を効率化できるシステムのなかから、人材データの管理もできるものを選ぶといいでしょう。
人事管理システムは、次の記事でも詳しく紹介しています。